エレキベースとウッドの2刀流(エレキ8割)のためのエフェクター選び考察

音楽

2刀流はインピーダンス的に難しい

 私はエレキベースを弾くことが8割位だが、曲やバンドによってはエレクトリック・アップライト・ベース(EUB)も弾くことがある。
 一般的なエフェクターやベースアンプはマグネットピックアップを積んだエレキベースに向けに作られている。
 そこでコントラバス(ウッドベース)しかりEUBしかりピエゾピックアップを積んだ楽器への使用は少々工夫が必要だ。

 ここでは詳細を省くが、楽器側の出力インピーダンスがエフェクターやアンプの入力インピーダンスより低くする、「ロー出しハイ受け」の関係にあることが望ましい。。
 ピエゾの楽器を何も考えずにアンプに直差しするとこの関係が崩れて低音が痩せてカリカリした音だけが出力されたりすることになる。

 音程や音量、ピックアップにより楽器の出力インピーダンスは一定では無いので一概には言えないがざっくりは下記の通りらしい。

◯出力インピーダンス
・エレキベース(マグネットピックアップ):1MΩ以下
・EUB、ウッド(ピエゾピックアップ):数MΩ

 例えばBOSSのコンパクトエフェクターやベースアンプの入力インピーダンス1MΩのものが多い。
 そこへ出力インピーダンスが数MΩのピエゾの楽器を突っ込むと音痩せが発生する。
 対策としてパラアコなどのアコースティック楽器用のプリアンプやバッファーでインピーダンスを下げることが必要になる。

 加えてEUBやウッドベースの音作りにもエフェクターの使用は当たり前になりつつある。 

 ここでエレキ8割の二刀流プレイヤーの悩みとして、使用頻度が低いのにわざわざアコースティックプリアンプは買わないで済ませられないのか、エレキベースとエフェクターを共用できないか。ということがある。

 前置きが長くなったが主にインピーダンスの観点から2刀流のエフェクターに関して考察する。

結局インピーダンスはいくら必要なの?

 先述の通り出力インピーダンスはおおよそ下記の通り。

◯出力インピーダンス例
・エレキベース(マグネットピックアップ):1MΩ以下
・EUB、ウッド(ピエゾピックアップ):数MΩ

楽器ピックアップ出力
インピーダンス
エレキベースマグネット数100kΩ~1MΩ
EUB
ウッドベース
ピエゾ数MΩ

 対してアコースティック楽器用の入力インピーダンスの例を挙げる。

メーカー機材入力
インピーダンス
L.R.Baggsパラアコ、セッションDI等10MΩ
ZOOMAC-2 アコギ用プリアンプ10MΩ
PJBPE-5 エレキ-ピエゾ両用ベーズプリアンプ4.7MΩ

 多くの機材が入力インピーダンス10MΩ、エレキ-ピエゾ両用を謳うPJBのPE-5は4.7MΩであった。

 また下記のサイトで検証を行っている。http://www.tacopin.taco386.com/acpickup/acpickup_022.htm

詳細は分からない点もあるが概ね下記の通りかと思われる。

入力
インピーダンス
所感
1MΩエレキベースでは十分だが、ピエゾだと低音の減衰がある。
多くのエレキベース用機材。
2MΩエレキベースでの実績も多くある。ピエゾの低音減衰は情報が見つけられなかった。
1部のエレキベース用機材。
4.7MΩPJB PE-5でピエゾ用の実績あり。
10MΩ多くのピエゾ用機材はこの性能。

 入力インピーダンスが高いほどノイズが乗りやすいデメリットもあるが、ここではピエゾ用機材で10MΩでも実績があるので問題ないことにする。

良さげな機材を探してみた

メーカー機材名入力
インピーダンス
所感
PJBPE-5 プリアンプ4.7kΩエレキ-ピエゾ両用を謳う機材。
意外とこのコンセプト機材は貴重。
高い。球数がない。
MXRM80 Bass D.I. + 
M81 BASS PREAMP
2.2MΩベースプリアンプのど定番商品のこれは実は入力インピーダンスが高め。
新品、中古とも球数豊富で、価格も比較的低い。
EBSMicroBass 2,310MΩサンズ、MXRのど定番ほどではないがこちらも有名なベースプリ。まさかのピエゾも余裕な10MΩ。
入力もA-Bの2系統ありエレキとアップライトの2本使いとかも可能だが、A-Bでノブが違うので少々使いにくい点も。A+Bで入力1系統の使い方が定番らしい。
価格は少し高めだけど2の方は中古価格も下がってきてお手頃に。
EBSStanley Clarke Signature Acoustic Preamp10MΩこれはアコースティックプリアンプなので、今回の趣旨とちょっと違う?
こちらもA-Bの2系統があるので2本使いが可能な他、ピエゾとマイクのミックスが可能でウッド使いには最強か?
EBSMultiComp BlueLabel1.8MΩど定番のマルコンもちょっと入力インピーダンス高め。トゥルーバイパスなのでかけっぱなしならOK.
ZOOMB6 B2four10MΩZOOMのマルチにはスイッチでピエゾ対応の10MΩにできるものも。
B6なら入力2系統でそれぞれ入力インピーダンススイッチがあるので2本持ちも完全に対応。
最近はマルチの性能もすごいし、アナログのコンパクトエフェクター至上主義でなければ一考の価値あり。
BOSSGT-1000
GT-1000 core
2MΩBOSSのハイエンドマルチ。この2機種だけはちょっと入力インピーダンス高め。
ベース専用エフェクターは少ないもののX-BASSとかは実質BB-1X,BC-1Xなので非常に好評。

まとめ

 エレキベースメインで偶にアップライトも弾くからエレキベースのエフェクターを共用できないかということで考察をしてみた。結論的に機材は限られるが可能。10MΩまではなくてもMXRのプリアンプやマルコンの2MΩ前後でもだいぶマシな印象だった。

 インプットセレクターを兼ねてとなると一つの機材では非常に難しく、完全に対応しているのはZOOMのB6くらいだと思う。
 自作でインプット側が2口のABスイッチを作って、インピーダンス高めのエフェクターを繋ぐとかが現実的なのかなぁ。音量を揃える調整はできないけど。
 現状の私のボードが
EUB → アコースティックプリアンプ → ABスイッチ
エレキ → プリアンプ → ABスイッチ → エフェクター
 と繋げているけど、アコースティックプリは使用頻度低いし減らせないかなぁと。
 頻度は低いから差し替え前提で考えてもいいかなぁ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました